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「が」で考えられる人

2026年8月20日

「なぜ、あと一押しで決まらないんだろう」 「なぜ、指示した通りに部下が動いてくれないんだろう」

営業でもマネジメントでも、こういう壁にぶつかることがあります。

こうした場面で、一度立ち止まって見直したいのが、頭の中で使っている助詞です。

それは、「に」か「が」か。

たった一文字の違いですが、そこに立つ基軸によって見えている景色も次に取る行動もまったく変わってきます。


「に」の視点「が」の視点

「に」は、こちら側が主語の言葉です。

「お客様に買ってほしい」の主語は、実は"お客様"ではなく"自分"です。自分がどうしたいか、自分が何を達成したいか。その願望の対象として、相手が置かれています。

一方、「が」は、相手側が主語になります。

「お客様が買いたいと思う」の主語は、"お客様"です。相手が何を望み、何を選び取ろうとしているか。そこを起点に物事を考えることになります。

同じ「買ってもらう」という結果を目指していても、「に」で考えるか「が」で考えるかで、見えている景色はまったく違います。


商談準備で問いが変わる

例えば、商談前に自分自身に投げかける問いも変わります。

  • 「に」の視点:「このプレゼンで、何を伝えたら(お客様に)買ってもらえるか」 

  • 「が」の視点:「お客様は、どんな情報が揃えば(お客様が)決断できるか」

前者は、伝える中身も順番もこちらの都合で組み立てられます。

後者は、相手が今どこで迷っていて、何が揃えば納得できるのかを起点に組み立てられます。

同じ準備時間でも、問いが違えば、用意する資料も、聞くべき質問も、まったく別のものになります。


1on1で問いが変わる

マネジメントの場面でも、同じことが起きます。

  • 「に」の視点:「どう言えば、この目標を(部下に)やらせられるか」

  •  「が」の視点:「何がハードルで、どうなれば(部下が)自発的に動き出せるか」

前者は、指示や説得の技術に向かいます。

後者は、部下が今何につまずいているかを理解する観察に向かいます。

結果を急ぐほど、人は「に」の問いに寄っていきます。でも、相手が実際に動くきっかけは、たいてい「が」の問いの中にあります。


商品設計にも、同じ構造がある

この構造は、対人のコミュニケーションだけの話ではありません。

商品やサービスの設計にも、同じことが起きています。

「購入者・利用者にこう使ってほしい」で設計されたものは、作り手の理想や都合が前面に出ます。機能は揃っているのに、なぜか使われない。そんな商品は、たいてい「に」の視点で作られています。

一方「購入者・利用者がこう使いたい」を起点に設計されたものは、相手の行動や感情の流れに沿っています。結果として、無理なく選ばれ使われ続けます。

営業もマネジメントも、実はこの「設計」の話と同じです。トークも、指示の出し方も、いわば相手との関係を"設計"する行為です。作り手(伝え手)の理想を押し付けるか、相手の意思に寄り添って組み立てるか。その差が、商品にも、会話にも、同じように表れます。



基軸(視点)をどこに置くか

営業の良し悪し、マネジメントの良し悪しは、スキルや経験だけで決まるわけではないと思っています。

同じ場面でも、「に」で考える人と「が」で考える人とでは、選ぶ言葉も、聞く質問も、待つ間合いも変わってきます。

「に」を主語にした瞬間、相手は"動かす対象"になります。

「が」を主語にした瞬間、相手は"意思を持つ主体"になります。


たった一文字の違いですが、そこに立つ基軸が、結果として営業やマネジメントの成果を大きく左右しているのではないかと思っています。

あなたは今、目の前の相手を「に」で見ていますか。それとも「が」で見ていますか。

一度振り返ってみることで、変化を与えることが出来るかもしれません。



株式会社Katawaraは、「採用で、経営を変える」を掲げ、岐阜県を中心に採用戦略の構築から仕組み化・内製化支援まで、企業に伴走する採用コンサルティング会社です。単なるアドバイスにとどまらず、企業が自ら採用力を育て、自走できる体制づくりを支援しています。

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