そばにいる人
2026年7月23日

「優秀な人ってどんな人ですか?」
こう聞かれることが時々あります。
スキルが高い人、結果を出す人、リーダーシップがある人。色々な答えがあると思います。
私がいつも思い浮かべるのは「そばにいる人」です。
"そば"には、二つの意味があります。
一つは、物理的なそば。
「ちょうどよかった、実は相談したいことがあって」という場面で、なぜかその人がいる。絶妙なタイミングでメールが来る。ふと電話がかかってくる。しばらく会っていないと思っていたら、会う機会を作ってくれる。
偶然のように見えるけれど、おそらく偶然ではありません。
相手のことを考えているから、自然とそのタイミングがわかる。あるいは、意識的に接点を作っているのかもしれない。どちらにしても、その人の頭の中に「相手」がいるから起きることです。
もう一つは、精神的なそば。
困ったとき、迷ったとき、誰かに話したいとき。最初に顔が浮かぶ人が、誰かいますか。
その人のことを思い浮かべてみてください。その人はきっと、あなたの話をちゃんと聞いてくれた人です。アドバイスが的確だったかどうかより、「この人には話せる」と思えた経験がある人です。
精神的に"そば"にいる人とは、物理的に近くにいることとは関係ありません。遠くにいても、久しぶりに連絡しても、なぜか"近く"に感じる人がいます。
この二つの"そば"に共通していることがあります。
相手のことを、ちゃんと見ているということです。
今相手は何を必要としているか、何を抱えているか、どのタイミングなら話しかけやすいか。
それを考えているから、物理的なそばに現れるタイミングが自然と合う。それを感じているから、精神的な距離が縮まる。
根っこにあるのは、相手への関心です。
仕事において"そばにいる人"は強い。
いざという時に思い出してもらえる人は、声がかかります。相談される人は、情報が集まります。「この人に頼もう」と思われる人は、機会が巡ってきます。
スキルが高いだけでは手に入らないものが、"そばにいる"ことで手に入る。
これは営業に限った話ではないと思っています。
社内の関係でも、チームの中でも、マネジメントの場面でも、同じことが起きています。
「いつもタイミングよく連絡してくるね」と言われる人がいます。その人に聞くと、たいてい「なんとなく気になって」と答えます。
その"なんとなく"の中に、相手を見ている習慣があると思っています。意識してやっているわけではない。でも、相手のことを考える癖がある。だから自然と、そばに現れる。
優秀さとは、能力の話だけではないのかもしれません。
どれだけ相手のことを考えているか。どれだけ相手の"今"を見ているか。その積み重ねが、"そばにいる人"をつくっていくような気がしています。
余談ですが、"そば"という言葉にはもう一つ漢字があります。傍らです。
主役の隣で、少し控えめに、しかし確かにそこにいる場所。中心にいるわけではないけれど、いなくなると困る場所。
弊社の社名「Katawara」は、この"傍ら"から来ています。
採用の現場で、私たちは主役にはなりません。主役は、いつも経営者や現場の担当者、そして候補者です。私たちはその"傍ら"にいて、必要なときに必要な形で関わる。声をかけられなくても、状況を見ている。声をかけられたときに、的確に応えられる準備をしている。
これは、ここまで書いてきた"そばにいる人"の話と、実はそのままつながっています。
採用がうまくいっている会社を見ると、共通しているのは、社内であれ社外であれ、「この人に相談しよう」と思われる誰かが、傍らにいるということです。逆に、採用がうまくいかない会社の多くは、そういう存在が不在のまま、担当者一人が抱え込んでいます。
私たちが目指しているのは、まさにその"傍ら"であることです。
物理的に伴走し、精神的にも頼ってもらえる。そして、いずれ私たちがいなくても回る状態、つまり"卒業"できる状態をつくる。それが、私たちの考える"そばにいる"ことの終着点だと思っています。
あなたの周りに、"そばにいる人"はいますか。
あるいはあなた自身は、誰かの"そば"にいられていますか。
