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面接は「見極める場」だけではない。求職者も、あなたの会社を見ている。

2026年6月17日

●内定を出したのに、辞退された

採用支援をしていると、こんな話をよく聞きます。

「面接もうまくいったと思ったのに、内定を出したら辞退されてしまった。」

「選考を通過してもらったのに、最後の最後で断られた。」

内定辞退は、採用担当者にとって最もダメージの大きい出来事の一つです。時間もコストもかけて、ようやく「この人に来てほしい」と思った相手に断られる。

では、なぜ辞退が起きるのでしょうか。

条件が合わなかった。他社と比較された。タイミングが悪かった。

そういった理由もあります。

しかし見落とされがちな理由が、もう一つあります。

「面接そのものが、辞退の原因になっていた」ということです。


●面接官は「評価する側」という意識が強くなりがち

多くの企業で、面接はこう設計されています。

履歴書を確認する。志望動機を聞く。職歴を確認する。人柄を見る。自社に合うかどうかを判断する。

これは間違っていません。面接が「見極めの場」であることは事実です。

ただ、そこに一つの視点が抜け落ちていることがあります。

「求職者も、面接を通じてこちらを見ている」という視点です。

企業が求職者を評価しているその時間、求職者もまた企業を評価しています。

この会社は自分に合うか。面接官はどんな人か。質問への答え方から、職場の雰囲気が見える気がする。ここで働くイメージが持てるか、持てないか。

求職者の頭の中では、そういった判断が同時に行われています。

面接は、双方向の場です。一方向に評価が流れる場ではありません。


●求職者は「面接の空気」から、職場を想像している

求職者にとって、面接は多くの場合、その会社を「体験」できる大きな機会です。

会社の雰囲気・社員の人柄・仕事への向き合い方。それらをリアルに感じ取れる場、それが面接です。

だからこそ、面接での体験がそのまま「この会社で働くイメージ」につながります。

面接官が終始メモを取りながら質問を繰り返すだけで、会話らしい会話がなかった。

こちらが質問しても、答えが紋切り型で、本音が見えなかった。

面接が終わった後に、「なんとなく合わないかもしれない」という感覚が残った。

こういった体験が積み重なると、条件面では問題がなくても、求職者の気持ちは「辞退」に向かっていきます。

逆に、面接の中で「この人たちと一緒に働きたい」と感じた求職者は、多少条件が劣っていても前向きに検討します。

面接の質が、辞退率に繋がっているのはそういう理由です。


●「意欲が低い応募者ばかりだ」と感じる時、もう一つの視点

採用支援の現場で、企業側からこんな声を聞くことがあります。

「うちに来る応募者は、意欲が低い人が多くて。」

「スペック的に厳しい人ばかりで、なかなか採れない。」

この感覚は、否定するものではありません。実際にそういうケースはあります。

ただ同時に、もう一つの可能性も考えてみてほしいと思っています。

それは、「面接官側にバイアスがかかっていないか」という問いです。


たとえば、緊張している求職者を「覇気がない」と判断していないか。言葉が少ない求職者を「やる気がない」と判断していないか。経歴が華やかでない求職者を「スペックが低い」と切り捨てていないか。

面接とは、限られた時間の中で人を見る場です。そこには必ず、見る側の主観が入ります。

「意欲の低い応募者が多い」という現象が、本当に市場の問題なのか、それとも面接の設計や面接官の見方の問題なのか。両方の可能性を持ちながら選考することが、採用の精度を上げていきます。

面接官自身の「見極め方」もまた、定期的に問い直す必要があるものかもしれません。


●「何を聞くか」より「どんな場にするか」

面接の準備というと、多くの企業が「何を聞くか」を考えます。

質問リストを作る・評価シートを用意する・どの順番で確認するかを決める。

これらは大切な準備です。しかし、それと同じくらい重要なことがあります。

「どんな場にするか」という設計です。


求職者が話しやすい雰囲気を作れているか。こちらから会社のことを誠実に伝えているか。求職者の不安や疑問に向き合う時間があるか。面接の後に、どんな印象を残したいか。

これらを意識している面接と、していない面接では、求職者の受け取り方がまったく変わります。

「この会社は、自分のことを人として見てくれている」と感じた求職者は、その会社に対して好意を持ちます。

「この会社は、自分をスクリーニングしているだけだ」と感じた求職者は、たとえ合格しても前向きにはなれません。


●不採用になった人も、あなたの会社のことを誰かに話す

ここで、もう一つ考えてほしいことがあります。

面接に来た全員が、入社するわけではありません。選考の中でお断りする方も当然います。

では、不採用になった求職者との関係は、そこで終わりでしょうか。

そうではないと思っています。

不採用になった求職者は、その後も社会の中で生活しています。友人に、家族に、知人に、「先日あの会社の面接を受けてきた」という話をします。

「丁寧に対応してもらえて、結果は残念だったけどいい会社だと思った。」

「圧迫されるような雰囲気で、結果より前に行く気が失せた。」

どちらの言葉が広がるかは、面接がどんな場だったかで決まります。

採用とは、合否を決める行為であると同時に、会社の印象を社会に広げていく行為でもあります。

「たとえ不採用になったとしても、あの会社の面接は良かったと言われる面接を心がける。」

この意識が、採用の質だけでなく、会社そのものへの信頼につながっていきます。


●面接の体験が、入社後にも続く

合格した求職者にとっても、面接の体験は内定承諾で終わりではありません。

「どんな面接だったか」という記憶は、入社後にも残ります。

面接で「一緒に頑張りましょう」と言われた言葉が、入社後の現場で感じる温度と一致しているか。面接で語られていた会社の姿が、実際の職場と重なっているか。

一致していれば、「思っていた通りだった」という信頼になります。ズレていれば、「聞いていた話と違う」という不信感が生まれ、それが早期離職の入り口になっていきます。

面接とは、入社後の関係性の「はじめの一歩」でもあります。


●「選んでもらう」意識が、採用の質を変える

面接を「見極める場」として設計することは、もちろん必要です。

ただそこに、「選んでもらう場でもある」という意識が加わった時、面接の設計は変わります。

求職者に何を伝えたいか。どんな印象を残したいか。合否に関わらず、「あの会社の面接は良かった」と言ってもらえる場を作れているか。

この問いを持って面接に臨む企業と、持たない企業では、内定承諾率も、その後の定着率も、会社への口コミも、少しずつ変わっていきます。

採用は、応募から始まって内定承諾で終わる一方向のプロセスではありません。

求職者と企業が、お互いを見ながら「一緒にやっていけるか」を確かめ合う、双方向のプロセスです。

そしてその場に関わった全ての人が、合否に関わらず、あなたの会社の「語り手」になっていきます。

あなたの会社の面接は、どんな体験を渡していますか?


株式会社Katawaraは、「採用で、経営を変える」をテーマに採用支援を行っています。

面接設計・選考プロセスの見直しから、内定辞退率の改善まで、採用の接点全体を一緒に考えることも私たちの支援の一つです。お気軽にご相談ください。

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