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「採用ブランディング」という言葉に、踊らされていませんか?

2026年6月9日

●「採用ブランディング」が、流行り言葉になっている?

最近、採用の文脈で「採用ブランディング」という言葉をよく耳にするようになりました。

採用広報・エンプロイヤーブランディング・SNS採用・採用サイトのリニューアル。

大手企業だけでなく、中小企業の経営者の方からも「うちも採用ブランディングをやらないといけないかな」という声を聞くことが増えています。

ただ、そこで一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

「採用ブランディング」とは、いったい何をすることでしょうか?

SNSを始めること?採用サイトを作ること?社員インタビューを掲載すること?

もちろんそれらは手段として有効な場合があります。しかし、それらは「手段」であって「目的」ではありません。

手段から入ってしまうと、採用ブランディングはコストと労力だけがかかって成果が見えない活動になりがちです。


●ブランディングとは「良く見せること」ではない

「ブランディング」という言葉には、どこかイメージを作り上げるような印象があるかもしれません。

写真をきれいにする・言葉を磨く・SNSのフォロワーを増やす。

そういった「見え方を整える活動」をブランディングだと捉えている方も少なくありません。

しかし本来のブランディングとは、「自分たちが何者かを明確にすること」です。

良く見せることではなく、実態を正しく届けること。

飾ることではなく、伝わる形に翻訳すること。

この順番を間違えると、どれだけコンテンツを作っても、求職者には「どこにでもある会社」として映ってしまいます。


●コンテンツを作る前に、「何者か」がなければ何も伝わらない

SNSで採用がうまくいっている企業を見ると、投稿の頻度や写真のクオリティよりも先に、ある共通点があります。

それは「自社が何者かを、自分たちでわかっている」ということです。

どんな価値観を大切にしているか。どんな人が活躍しているか。どんな環境で、どんな仕事をしているか。なぜこの仕事を続けているのか。

これらが言語化されている会社の発信は、たとえ写真が素人撮影でも、文章が短くても、求職者に届きます。

逆に言えば、「自社らしさ」が定義されていない状態でSNSを始めても、何を発信すればいいかわからなくなります。投稿が続かなくなるのは、運用担当者の怠慢ではなく、発信すべき「中身」がないからです。

発信より定義が先。これが採用ブランディングの本質的な順番です。


●「うちには特別な魅力がない」という誤解

採用支援の現場で経営者の方とお話ししていると、こんな言葉を聞くことがあります。

「うちは特別な会社じゃないので、ブランディングとか難しいですよ」

その気持ちはよくわかります。大手企業のような知名度もない。話題になるような制度もない。取り立てて語れることがない、と感じている経営者の方は少なくありません。

しかし私は、そこに一つの誤解があると思っています。

「自社らしさ」とは、特別な制度や派手な実績のことではありません。

その会社が積み重ねてきた時間・判断・文化の中に、すでに存在しているものです。

問題は「らしさがない」ことではなく「らしさに気づいていない」ことが殆どなのです。


●自社らしさは、すでに会社の中にある

では「自社らしさ」はどこにあるのでしょうか。

一つの視点として、長く働いているスタッフを見てみてください。

なぜその人はこの会社にいるのか。何が気に入っているのか。他の会社ではなくここを選び続けている理由は何か。

そこには必ず、言語化されていない「この会社ならでは」の何かがあります。

あるいは、創業の経緯を振り返ってみてください。

なぜこの事業を始めたのか。何を解決したかったのか。どんな人のためにこの仕事をしているのか。

その原点の中に、他社には真似できない「この会社の文脈」があります。

さらに言えば、会社の名前やロゴにも、そのヒントが隠れていることがあります。

社名には、創業者が会社に込めた想いが刻まれています。なぜその名前にしたのか。どんな意味があるのか。ロゴのデザインに込めた意図は何か。

個人にとって名前が唯一無二のアイデンティティであるように、法人にとっても社名は創業の意志そのものです。

「うちの社名には、実はこういう意味があって」と話してくださる経営者の方の言葉には、決まってその会社の核心が宿っています。

採用ブランディングとは、こうした「すでに会社の中にあるもの」を掘り起こし、言語化し、求職者に届く形に翻訳していく作業です。


●定義より体験が先、という視点

もう一つ重要なことがあります。

どれだけ言葉を磨いても、実際の体験が伴っていないと採用ブランディングは機能しません。

「アットホームな職場です」と書いても、面接の対応が冷たければ求職者の印象は覆ります。

「成長できる環境です」と発信しても、入社後に何も教えてもらえなければ早期離職につながります。

採用ブランディングとは、発信内容と職場の実態を一致させていく取り組みでもあります。

言葉で伝えることと、体験として届けること。この両方が揃って初めて、求職者の信頼につながります。

発信より定義が先。定義より体験が先。

この順番を守ることが、長期的なマッチング精度を上げていきます。


●採用ブランディングは「見せ方」の話ではない

SNSを始めること・採用サイトを作ること、それ自体は悪くありません。

ただ、それらはあくまで「届ける手段」です。

届けるべき「中身」が整っていなければ、どんな手段を使っても伝わりません。

採用ブランディングとは、良く見せることではなく、自社が何者かを定義し、実態を正しく届けることです。

その出発点は、華やかなコンテンツ制作でも、フォロワーを増やすことでもなく、

「うちはどんな会社か」という問いと、真剣に向き合うことだと思っています。

その問いに向き合った企業は、発信の量に関わらず、自分に合う人に届く採用ができるようになっていきます。

採用ブランディングとは、自社を深く知るプロセスそのものなのかもしれません。


株式会社Katawaraでは、「採用で、経営を変える」をテーマに採用支援を行っています。

「自社の魅力をどう言語化すればいいかわからない」「採用ブランディングを始めたいが何から手をつければいいかわからない」そうしたご相談もお気軽にどうぞ。

採用の発信を整える前に、まず「自社らしさ」を一緒に掘り起こすところから始めています。

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