なぜ採用も「3C」で考える必要があるのか?
2026年5月28日

●求人を出しても応募が来ない。その時何を見直しますか?
採用に悩む企業とお話ししていると「応募が来ない」と相談をいただくことが多いです。
そしてその次に出てくる対応策は、以下のような感じです。
媒体を変える
予算を増やす
上位表示をかける
原稿を修正する
もちろん、どれも大切です。
しかし私は、その前に考えるべきことがあると思っています。
それは、「そもそも、誰と競争しているのか」ということです。
●ビジネスでは当たり前なのに、採用では忘れられがちなこと
企業が商品やサービスを販売する時、自社の強みは何か・顧客は何を求めているか・競合は何をしているかを考えます。いわゆる「3C分析」です。
Company(自社)Customer(顧客)Competitor(競合)という考え方ですね。
ところが採用になると「とりあえず求人を出そう」「応募が来ないから媒体を変える」「掲載期間を延ばす」「上位表示をかける」という発想になりがちです。
しかし採用も市場競争です。むしろ現在の売り手市場では、商品を売る以上に競争が激しい場面もあります。
だからこそ採用でも、自社・競合・求職者の3つを見る必要があると思っています。
●採用の競合は本当に同業他社なのでしょうか?
ここでよくある誤解があります。それは、「競合=同業他社」という考え方です。
例えば飲食店なら飲食店。介護施設なら介護施設。製造業なら製造業。
確かに商品販売ならそうかもしれません。しかし採用は少し違います。
●求職者は「業界」で仕事を選んでいるとは限らない
例えば大学生アルバイト。その人は、近所の居酒屋とカフェだけを比較しているでしょうか。実際には、コンビニ・アパレル・塾講師・ドラッグストア・カラオケ、さらにはUber Eatsやタイミーのような単発就労サービスまで、すべてが比較対象になります。
求職者は「飲食業界で働きたい」と考えているわけではなく、「自分にとって働きやすいか」「今の生活に合うか」という視点で仕事を比較しているからです。
●未経験採用ほど競合は広がる
この傾向は、未経験採用になるほど顕著です。
経験者採用であれば「キャリアアップ」「専門性」「業界経験」といった比較軸があるかもしれません。
しかし未経験者は、まだ職種や業界へのこだわりが弱いケースも多い。
そのため、通いやすい・シフトが合う・人間関係が良さそう・雰囲気が自分に合いそうといった基準で仕事を比較します。
つまり採用競争とは、業界内競争ではなく「求職者の時間や働き方を奪い合う市場」でもあるのです。
●だからこそ、自社の価値を理解する必要がある
ここで重要になるのが、Company(自社)です。
採用支援をしていて「うちは特別な会社じゃないので」という言葉を何度も聞いてきました。
しかし実際には、シフトの柔軟性・人間関係・教育体制・働き方・店長の接し方など、
求職者から見ると魅力になる要素を持っている企業は少なくありません。
問題は、魅力がないことではなく魅力を言語化できていないことです。
●求職者が知りたいのは「魅力」ではなく「証拠」
求人原稿でよく見かける言葉があります。
アットホーム・シフト融通・未経験歓迎・みんな仲良し、どれも悪い言葉ではありません。
しかしそれだけでは信じてもらえません。なぜなら証拠がないからです。
「魅力」と「証拠」はセットで伝え必要があるのです。
例えば「シフト融通」なら「テスト期間は週0勤務でもOK」まで書く。
「未経験歓迎」なら「最初の1週間は先輩が横について教える」まで書く。
「人間関係が良い」なら「アルバイト歴3年以上のスタッフが全体の○%いる」まで書く。
魅力は企業が言うこと。証拠は求職者が信じる理由です。
この2つはセットでなければなりません。
●採用も市場競争だからこそ、3Cが必要になる
応募が来ない時、媒体や原稿だけを見るのではなく、
求職者は何を求めているのか・どんな企業と比較されているのか・自社は何で選ばれるのかを考える。
これはマーケティングでは当たり前の考え方です。
そしてそれは採用でも同じだと思っています。
●求人を出す前に、考えるべきことがある
採用とは、求人を掲載することではありません。応募を集めることでもありません。
求職者から選ばれる理由を整理し、それを伝わる形に翻訳することです。
だからこそ、応募数の前に自社・競合・求職者。採用も「3C」で考えてみると、
今まで見えていなかった課題や可能性が見えてくるかもしれません。
