人手不足ではなく「働き方の設計不足」かもしれない
2026年5月10日

「本当に、人がいないんでしょうか。」
採用の仕事をしていると、最近よく考えることがあります。
もちろん人口減少は事実です。特に地方では働き手不足の深刻化を肌で感じます。
一方で現場ではこんな声もよく聞きます。
「働きたいけど、時間が合わない」
「週5フルタイムは難しい」
「子どもの迎えがある」
「少しずつなら働きたい」
「ブランクがあって不安」
つまり、“働く意思”がないわけではない。
ただ、働き方をうまく接続できていない人たちが、想像以上に多いのではないでしょうか。
これまでの採用は、ある意味で“企業都合”の設計でした。
・決まったシフト
・長時間勤務
・土日勤務
・固定時間
・即戦力前提
もちろん、運営上必要な部分もあります。
ただ、その前提が強すぎることで、「働ける人」ではなく、“その条件に合える人”しか採用できなくなっていた側面もあるように感じています。
最近、障がい者を多数雇用している企業の記事を見て、改めて強く感じたことがあります。
その企業が特別なのは、単に雇用人数が多いことではありません。
重要なのは、「どうすればその人が働けるか」を前提に、業務や役割そのものを再設計していることです。
※参考記事
これは障がい者雇用だけの話ではないと思っています。
子育て世代、シニア、副業人材も、従来型の働き方に当てはめると難しいとされやすい。
でも、働き方そのものを見直せば、活躍できる人は想像以上に多い。
つまり問題は、「人がいない」ことだけではなく、“既存の働き方に当てはまらない人を取りこぼしていること”なのではないかと思うのです。
スポットワーク市場が急速に拡大している背景にも同じ構造を感じています。
世の中には「少しだけ働きたい」「空いた時間で働きたい」というニーズが確実に存在していた。
ただ、そのニーズを受け止める仕組みが少なかった。
だからこそ、スポットワークという形が急速に広がったのだと思います。
これまでの採用は「採る・採らない」を入口で判断しすぎていたのかもしれません。
でも本来、人と組織の関係は、もっとグラデーションがあっていい。
少し関わる。少し働いてみる。少し接点を持つ。そこから関係性が深まっていく。
これからの採用は、そうした“段階設計”が重要になると思っています。
そしてこの話は、単なる採用手法の話ではありません。
地域における“働く”そのものの話でもあります。
地方では今、「人がいない」という言葉がよく使われます。
でも実際には、働く意欲を持っている人そのものが消えたわけではありません。
問題は、その人たちと企業が、うまく接続できていないことです。
・子育て世代
・高齢者
・副業層
・学生
・移住者
・ブランクのある方
こうした人たちは、従来の採用設計では取りこぼされやすかった層でもあります。
しかし見方を変えれば、地域に眠っている“未接続の労働力”とも言えます。
だから私は、これから必要なのは単なる「採用強化」ではなく、
“働き方の再設計”だと思っています。
・どんな時間なら働けるのか
・どんな関わり方なら続けられるのか
・いきなり雇用ではなく、接点から始められないか
そうした視点を持つことで、企業側の可能性も大きく広がります。
株式会社Katawaraでは、採用を単なる“人集め”としてではなく、「人と企業の接続設計」だと考えています。
だからこそ、求人だけではなく、働き方や接点の作り方まで含めて考えています。
人手不足。確かにそれは事実です。
でも同時に、これまでの“働き方の前提”そのものを見直すタイミングに来ているのかもしれません。
「人がいない」のではなく「今の設計では、つながれていない」。
そう感じています。
