採用がうまくいかない会社は、“求人”から始めてしまう
2026年5月8日

「応募が来ないので、求人を見直したい」
採用の相談を受けると、まず最初にこの話になることが少なくありません。
・求人媒体を変える。
・原稿を書き直す。
・写真を撮り直す。
・IndeedやSNSを始める。
もちろん、どれも必要な施策です。
ただ、ここで一つ大事なことがあります。
それは、採用がうまくいかない企業ほど、“求人”から始めてしまうということです。
実際には、求人を作る前に整理すべきことがたくさんあります。
にもかかわらず、多くの企業では、「まず募集を出そう」という流れになってしまいます。
ですが、その状態で作られた求人は、どうしてもぼやけます。
なぜなら、“会社側の整理”ができていないからです。
例えば、貴社ではこんな状態になっていないでしょうか。
・どんな人を採用したいのかが曖昧
・求める人物像が条件ばかりになっている。
・仕事内容の説明が人によって変わる
・なぜ人が辞めるのか分析/考察されていない
・今いる社員が、なぜ働き続けているのか把握できていない
この状態で求人を書こうとしても、伝える内容に軸が生まれません。
採用は、単に“人を集める活動”ではありません。
・どんな組織をつくりたいのか。
・どんな仲間と働きたいのか。
・その会社が何を大切にしているのか。
それを整理し、伝えていくプロセスです。
つまり求人とは、最後に行う“翻訳作業”に近いと私は考えています。
では、本来どんな順番で進めるべきか。
あくまで例ではありますが、こんなことを行ってみるとよいです。
・経営者へのヒアリング
・現場社員との対話
・活躍している人材の共通点整理
・退職理由の分析
・実際の業務や現場の確認
・面接の流れや会話内容の確認
・現場の空気感や日々のコミュニケーション
なぜそこまでやる必要があるのか。
理由はシンプルで、採用は「会社の”リアル”がもっとも表れる場所」だからです。
現場と求人内容がズレていれば、ミスマッチが起きます。
面接で伝える内容が人によって違えば、不信感につながります。
働く理由が社内で共有されていなければ、発信も続きません。
つまり、採用がうまくいかない原因は、求人そのものではなく、
その前段階にあるケースが多かったりするのです。
ここを整理しないまま、「媒体を変えよう」「SNS採用をやろう」となっても、本質的な改善にはつながりません。
逆に、会社の整理ができている企業は強いです。
・誰を採用したいのか
・なぜこの仕事をしているのか
・どんな価値観を大切にしているのか
そこに一貫性があると、求人にも、面接にも、発信にも“らしさ”が生まれます。
そして、その“らしさ”に共感した人材が集まり始めます。
最近では、採用手法も多様化しています。
求人広告、SNS、リファーラル、スポットワーク…。
選択肢が増えた一方で「何を使えばいいのか」に意識が向きすぎているようにも感じます。
ですが本当に重要なのは、“どの手法を使うか”の前に、“何を伝える会社なのか”が整理されていることです。
採用が変わり始める企業には、共通点があります。
それは、採用を「求人作成」ではなく、“組織を見つめ直す機会”として捉えていることです。
だからこそ、採用だけで終わらず、組織やコミュニケーションまで変わっていきます。
もし今、「応募が来ない」「採用がうまくいかない」と感じているのであれば、
一度、“求人を書く前の整理”から始めてみることをおすすめします。
採用は、求人から始まるものではない。
その会社らしさを整理するところから、本当は始まっているのだと思います。
