採用手法に振り回されないために “つながり”で考える採用設計
2026年5月5日

ここ数年で、採用手法は一気に増えました。
求人広告、Indeed、SNS採用、リファーラル、スポットワーク…。
選択肢が増えたこと自体は良いことですが、一方でこんな相談も増えています。
「求人広告はもう効果がないですよね?」
「これからはSNS採用ですよね?」
ですが、この流れには、少し注意が必要です。
なぜなら、採用がうまくいかない原因は“チャネル”とは限らないからです。
例えば、求人広告で成果が出なかった企業が、そのままSNSに切り替えたとしても、
結果が大きく変わることはほとんどありません。
なぜなら、ターゲットや役割、伝え方の設計が曖昧なままでは、
どのチャネルを使っても本質は変わらないからです。
前回お伝えした通り、採用は「構造」の問題です。
その前提に立った上で、はじめてチャネルの話が意味を持ちます。
では、採用チャネルはどう整理すればいいのか。
ここで有効なのが、マーケティングで使われる「3つのメディア」の考え方です。
■ペイドメディア(Paid)
求人広告や代表される求人媒体(ハローワークを含む)など、費用をかけて接点をつくるメディアです。
短期間で母集団を形成できる集客力・即効性が強みですが、
出稿を止めれば接点も止まるという特徴があります。
ペイドメディアは、あくまで“きっかけをつくる役割”です。
■オウンドメディア(Owned)
採用サイトやブログ、公式SNSアカウントなど、自社でコントロールできる発信メディアです。
企業の理念・ビジョン・考え方や働く環境の詳細を伝え、理解や共感を深める役割を担います。
オウンドメディアは時間はかかりますが、自社の中に積み上がる資産になります。
■アーンドメディア(Earned)
口コミや評判、社員の発信など、第三者によって広がる情報メディアです。
採用においては、意思決定に最も影響を与える領域です。
特に近年では、SNSがこのアーンドメディアの中心になっています。
企業の公式発信だけでなく、社員個人の発信や、求職者同士の情報共有など、
“コントロールできないリアルな情報”が意思決定を左右します。
つまり、「どう見られているか」そのものが採用力になる時代です。
さらに最近では、新しい採用手法も広がっています。
■スポットワーク
スキマ時間で働く単発・短時間の就労機会を提供する仕組みです。
本来は労働力の補完として広がったものですが、
採用の文脈では、これを“入口”として活用するケースも増えています。
実際に働いてもらうことで、面接では分からない相性や適性を確認できる。
つまり、「選考」ではなく “関係性づくり”の接点としての活用です。
■リファーラル採用
社員からの紹介によって人材を採用する手法です。
一見すると昔からある縁故採用と似ていますが、本質は大きく異なります。
従来の縁故採用が「近い関係性の紹介」であったのに対し、
リファーラル採用は「社員が“リクルーターとして機能する仕組み」です。
自社の魅力を理解している社員が、自らのネットワークに対して情報を届け、
共感した人材を巻き込んでいく。
この状態がつくられている企業は、採用の再現性が高まります。
ここまで見ると、
それぞれの手法に役割があることが分かります。
だからこそ重要なのは、どれか一つを選ぶことではありません。
それらをどうつなげるか、です。
例えば、広告で接点をつくり(ペイド)
自社発信で共感や理解を深め(オウンド)
SNSや口コミで信頼を得て(アーンド)
さらに、スポットワークで関係性をつくり、
そこからリファーラルにつながる。
このように、採用は一度の接点ではなく、複数の接点が重なりながら進んでいきます。
つまりこれからの採用は「点で人を集めるもの」ではなく、
「線でつながりを設計するもの」です。
株式会社Katawaraでは、こうしたチャネルを単体で捉えるのではなく、
企業ごとに最適な“接点の設計”を行っています。
どこで出会い、どこで理解し、どこで意思決定するのか。
その流れをつくることで、採用ははじめて機能し、再現性を持ちます。
手法が増えている今だからこそ、重要なのは「何を使うか」ではなく「どうつなぐか」です。
もし、自社の採用がバラバラになっていると感じたら、一度“線”で整理してみてください。
そこに、次の一手のヒントが見えてきます。
